この仮説が正しいかどうかを確かめるために,コレンは異なる髪型の女性に耳のかたちが違う四種類のイヌの写真を見せ,次のような項目について評価してもらった。それぞれのイヌの見た目がどのくらい好きか,それぞれどのくらい親しみやすく見えるか,どのくらい忠誠心がありそうか,どのくらい賢そうに見えるか——。コレンの予想通り,髪の長い女性はビーグルとスプリンガースパニエルをより好み,髪の短い女性はバセンジーやハスキーを好んだ。加えて,髪の短い女性は,ピンと耳が尖ったイヌをより親しみやすく,忠誠心に富み,賢く見えると評価した。コレンはこの結果から人には見た目にかんしてある特定の好みがあると論じた。人は自分自身についてある見た目でありたいと思うとともに,自分が惹かれるイヌにもそういう見た目であってほしいと思うわけだ。
ハロルド・ハーツォグ (2011). ぼくらはそれでも肉を食う:人と動物の奇妙な関係 柏書房 pp.32-33
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