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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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実験前の「仮置き」

調査報告書は,彼の研究室運営そのものが,研究不正の背景にあることを指摘した。「これほど多くの不正行為等が発生した要因・背景としては……国際的に著名な学術雑誌への論文掲載を過度に重視し,そのためのストーリーに合った実験結果を求める姿勢に甚だしい行き過ぎ」があった。たとえば,実験を始める前に,ストーリーにあった画像を「仮置き」するといった習慣があった。大学院生たちは,技術的にも時間的にも困難であろうとも,「仮置き」のデータを作ることが求められていた。そのような「強圧的な指示・指導が長期にわたって常態化していた」という。大学院生たちは,教授の「過大な要求や期待に対し,それを拒否するどころか,無理をしても応えるしかない」と思うようになり,不正に手を染めていった,と調査委員会は指摘している。

黒木登志夫 (2016). 研究不正 中央公論新社 pp.101-102
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