ウェルビーイング理論についてまとめてみよう。ウェルビーイングとは構成概念である。そして,幸せではなく,ウェルビーイングこそが,ポジティブ心理学のテーマである。ウェルビーイングでは5つの測定可能な要素(PERMA)が考察対象となる。
P: ポジティブ感情(Positive Emotion)(幸福と人生の満足度が要素として含まれる)
E: エンゲージメント(Engagement)
R: 関係性(Relationships)
M:意味・意義(Meaning)
A: 達成(Achievement)
どれ1つとして単独でウェルビーイングを定義する要素はないが,各要素がウェルビーイングに寄与する。これら5つの要素には,自己報告で主観的に測定される側面と,客観的に測定される要素とがある。
対照的に,幸福理論では,幸せがポジティブ心理学の最重要項目として扱われる。幸せは実在するものであり,人生満足尺度によって定義される。幸せには,ポジティブ感情,エンゲージメント,意味・意義の3つの側面があり,それぞれが人生の満足に関係し,すべて主観的な自己報告によって測定される。
マーティン・セリグマン 宇野カオリ(訳) (2014). ポジティブ心理学の挑戦:“幸福”から“持続的幸福”へ ディスカヴァー・トゥエンティワン pp.48-49
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