スピードに対する私の両親や先生たちの偏見は,単なる行き当たりばったりの社会習慣などではなかった。スピードとIQはには驚くほど強い関係があることが分かったからだ。「選択反応時間」と呼ばれる実験手順では,ライトと2つのボタンのついたパネルの前に実験参加者たちが座らされる。彼らは,ライトが緑色のとき左のボタンを押し,ライトが赤色のとき右のボタンを押すように,そしてこれをできるだけ早く行うようにと告げられる。IQと,人がどれくらい速くこの動作ができるかということの間には中程度の相関がある(+.50)。だが,選択反応時間における速い反応は,単なる運動能力の問題ではない。運動能力と「単純反応時間」(私が「さあ,できるだけ速くボタンを押してみなさい」と言うとき)の相関は無視できる程度だからだ。
マーティン・セリグマン 宇野カオリ(訳) (2014). ポジティブ心理学の挑戦:“幸福”から“持続的幸福”へ ディスカヴァー・トゥエンティワン pp.187
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