ランダムさに関する誤解が執拗であることがある。エーモス・トヴェルスキーとトーマス・ギロヴィッチ,ロベルト・ヴァローネがバスケットボールの「ホット・ハンド」を分析したのは有名な話である。「ホット・ハンド」とは,2本か3本か4本のシュートを決めたばかりの選手は「ホット・ハンド」になっているため,外したばかりのときに比べて,次のシュートを決めることになりやすいという考えである。彼らは,厳密な統計的分析を用いて「ホット・ハンド」が神話であることを証明した。しかし,骨を折ったにもかかわらず,米国中のバスケットボールのコーチとファンによって馬鹿にされた。
ダン・ガードナー 田淵健太(訳) (2009). リスクにあなたは騙される:「恐怖」を操る論理 早川書房 p.150
(Gardner, D. (2008). Risk: The Science and Politics of Fear. Toronto: McClelland & Stewart Inc.)
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