ハーバード大学の教育学教授のポール・ハリスは,子どもの問いに関する研究をしている。彼はシュイナードのデータに基づいて計算した結果,子どもは2歳から5歳のあいだに「説明を求める」質問を計4万回行うと推定している。「途方もない数です」と彼は言う。「これは,問いかけという行動が認知能力を発達させる重要な鍵であることを示唆しています。説明を求める質問は,深遠なこともあればくだらないこともある。鋭いこともあれば理解しがたいことも。感動的なことも滑稽なこともある。例として,私の友人の子どもたちが口にした質問をいくつか紹介しましょう。いずれも10歳になる前の言葉です」
・ぼくが16歳になるころには,大人はみんな死んでるの?
・目がハエになっちゃったらどうなる?
・時間って何?
・あなたも昔サルだったの?
・どうして自分の影から逃げられないの?
・わたしがママとパパの一部からできているなら,わたしになった部分はどこからきたの?
・ぼくもキリストみたいに十字架で死ぬの?
イアン・レズリー 須川綾子(訳) (2016). 子どもは40000回質問する:あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力 光文社 pp.70-71
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