私たちはこのような文化的圧力に抵抗しなければならない。パズルは完全に的が外れているときでさえ,問題を解決する満足感をもたらす。物事をパズルとしてしか考えられない社会や組織は自らが設定したゴールによって視界をさえぎられ,将来の可能性に意識を向けることができない。人生のあらゆる問題をパズルと考えようとする人々は,単純明快な解が得られないと当惑し,フラストレーションを感じるだろう(そんなときは自己啓発の権威も助けにはならない)。ミステリーはパズルより難しいが持続性がある。ミステリーによって持続的な好奇心が刺激されると,私たちは自分の知らないことに意識を集中し続けることができる。そして好奇心は,暗闇のなかで手探りしているときも,「充実感と意欲」を保つ原動力になるのである。
イアン・レズリー 須川綾子(訳) (2016). 子どもは40000回質問する:あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力 光文社 pp.103-104
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