「レモンドロップ検査」は,生物学的な外向性レベルを測定する,面白い方法です。さまざまな方法がありますが,私がいつも授業で用いているものを紹介しましょう。
必要なものは,スポイト,綿棒(両端に綿がついているもの),糸,レモン汁(飲料用のレモンジュースではなく,本物のレモンを絞ったもの)です。
まず,糸を張ったときに綿棒の両端が水平になるように,綿棒の中心を糸で縛ります。そして被験者に,次の手順に従ってもらいます。
1 唾を4回飲み込みます。
2 舌の1点に綿棒の片方の端を当て,そのまま20秒間じっとします。
3 舌の先に,スポイトでレモンの絞り汁を5滴落とします。唾を飲み込みます。
4 先ほどと同じ舌の1点に,綿棒の反対側の端を当て,そのまま20秒間じっとします。
5 糸を張り,綿棒がどちらか一方に傾くかどうかを調べます。
綿棒は水平のままの場合もあれば,“レモンを落とした後に舌につけた方”が下がる場合もあります。どちらが外向型でしょうか?
そう,外向型の場合,綿棒は比較的水平を保ちますが,内向型の場合はレモンの方が下がることが多くなります。内向型の人は平常時の覚醒レベルが高く,レモンのような強い刺激に積極的に反応して,多くの唾液が分泌されるためです。
平常時の覚醒レベルが低い外向型は,刺激への反応が内向型に比べて弱いために,唾液はあまり分泌されません。実際,唾液の分泌量が少ないために,外向型は虫歯になりやすいというデータすらあります。
ブライアン・R・リトル 児島 修(訳) (2016). 自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義 大和書房 pp.86
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