読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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「才能」とは,努力によってスキルが上達する速さのこと。いっぽう「達成」は,習得したスキルを活用することによって表れる成果のことだ。
もちろん,優れたコーチや教師との出会いなどの「機会」に恵まれることも非常に重要だ。むしろ個人的などの要素よりも,そちらのほうが重要かもしれない。
しかし私の理論では,そのような外的要因や「幸運」は考慮しない。私の理論はあくまでも「達成の心理学」に関する理論であり,成功要因は心理学的なものだけではない以上,不完全なものだ。
だが,それでも役に立つと考えている。この理論が示しているのは,複数の人びとが同じ状況に置かれた場合,各人がどれだけのことを達成できるかは,「才能」と「努力」のふたつにかかっているということだ。
「才能」すなわち「スキルが上達する速さ」は,まちがいなく重要だ。しかし両方の式を見ればわかるとおり,「努力」はひとつではなくふたつ入っている。
「スキル」は「努力」によって培われる。それと同時に,「スキル」は「努力」によって生産的になるのだ。
アンジェラ・ダックワース 神崎朗子(訳) (2016). やり抜く力―人生のあらゆる成功を決める「究極の力」を身につける ダイヤモンド社 pp.70-71