読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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第一次大戦の至近距離での塹壕戦は,心理的にも物理的にも手榴弾は使いやすかった。そのため,キーガンおよびホームズによれば「歩兵はライフルで正確な射撃を行うことを忘れていた。おもな武器は手榴弾になっていたのだ」。いまならその理由がわかる。手榴弾が好まれたのは,近距離での殺人,とくに犠牲者の姿を見,声を聞かねばならない場合にくらべると,殺人にともなう心理的トラウマが小さかったからなのだ。
デーヴ・グロスマン 安原和見(訳) (2004). 戦争における「人殺し」の心理学 筑摩書房 pp.202