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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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匿名性が殺人を可能にする

 義務感の発生に加えて,集団また匿名性の感覚を育てることで殺人を可能にする。この匿名性の感覚はさらに暴力を助長する。場合によっては,この集団匿名性という現象は,先祖返り的な一種の殺人ヒステリーをうながすようだ。このような例は動物界にも見られる。1972年のクラックの研究には,無意味で不気味な殺生が動物界でも現実に起きていることを示す例があがっている。たとえば,必要以上の,あるいは食べられる以上の数のガゼルを殺すハイエナ,嵐の夜の飛べないカモメを<いいカモ>として,食べきれないほどに殺すキツネなど。シャリットはこう指摘する。「人間界でもたいていそうだが,動物の世界に見られるこのような無意味な暴力は,個ではなく集団によって行われる」。



デーヴ・グロスマン 安原和見(訳) (2004). 戦争における「人殺し」の心理学 筑摩書房 pp.255-256


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