読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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合衆国は比較的平等主義的な国家なので,戦時中に民族的・人種的憎悪を国民の心に深く植えつけるのは,他国にくらべていささかむずかしい。だが対日戦では,敵があまりに異質だったために文化的距離を有効に導入することができた(パールハーバーの<復讐>だったので,倫理的距離という強力なバックアップもあった)。ストウファーの研究によれば,第二次大戦中のアメリカ兵の44パーセントは「ぜひ日本兵を殺したい」と答えている。しかし,ドイツ兵についても同じように答えた者はわずか6パーセントだった。
デーヴ・グロスマン 安原和見(訳) (2004). 戦争における「人殺し」の心理学 筑摩書房 pp.271