読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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今日の(そしてベトナム時代の)アメリカ陸軍および海兵隊で兵士の訓練に用いられている方法は,まさに条件づけ技術の応用そのものだ。これによって養われるのは,反射的な<早撃ち>の能力である。とはいえ,この方面での兵士の訓練に,だれかが意図的にオペラント条件づけや行動修正技術を応用したとは考えられない。これはまずまちがいないと思う。私は20年軍籍にあるが,兵卒,軍曹,将校のだれひとり,あるいは官民とわず関係者のだれひとり,射撃訓練で条件づけが行われていると口にした者も,あるいは理解していた者もいない。しかし,歴史学者であり職業軍人でもある心理学者の立場から見ると,そこで行われているのがまさに条件づけなのは火を見るより明らかだ。そのことは,時とともにいよいよはっきりしてくる。
デーヴ・グロスマン 安原和見(訳) (2004). 戦争における「人殺し」の心理学 筑摩書房 pp.393-394