読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
すべての進歩は相対的である,というこの概念は,生物学の分野では「赤の女王仮説」として知られるようになった。『鏡の国のアリス』のなかで,アリスが出会うあの女王のことである。赤の女王は走り続けるが,永遠に同じ場所にとどまっている。風景が彼女についてくるからだ。この考え方は,進化の理論にますます大きな影響を与えるようになってきており,本書でも再三繰り返されることになるだろう。速く走れば走るほど,世界もまた速度を増し,それだけ進歩は少なくなる。人生はチェスのトーナメントだ。ゲームに勝ったところでまた次のゲームに進まなければならない。しかも「駒落ち」というハンディを負って。
マット・リドレー 長谷川眞理子(訳) (2014). 赤の女王:性とヒトの進化 早川書房 pp.39