読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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1.社会的悪態――侮蔑の意図はない
(例)I didn’t know what the fuck I was wearing.(うわ,あたしってばひどい格好)
2.不快表現の悪態
(例)Oh shit I’m getting lost.(くそっ,道に迷っちまった)
3.侮蔑的悪態
(例)The people on night fills are arseholes.(夜勤の連中はアホばかりだな)
4.様式的悪態――発言にニュアンスをつける
(例)Welfare, my arsehole.(生活保護ってやつね)
科学的な分析によって,悪態を口にする状況はこのように4種類存在することがわかった(私としては,様式的悪態は社会的悪態に含めたいところだ)。あと習慣的悪態というのも追加できそうだ。最初は社会的な状況で発していたものが,本人のボキャブラリーに組み込まれ,大した理由がないのに連発してしまうというものだ。汚い言葉を意味もなく矢つぎばやに発することが多いゆえに,悪態は知性や言語表現力の欠如に結びつけられることが多いが,話はそれほど単純ではない。むしろ逆の可能性を示唆する研究結果もある。
リチャード・スティーヴンズ 藤井留美(訳) (2016). 悪癖の科学:その隠れた効用をめぐる実験 紀伊國屋書店 pp.86