読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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神経・精神科医のモーリス・ニコルは,あるとき聖書の文章について校長先生に質問したことがあるそうだが,先生の答えをしばらく聞いているうちに,この人は自分でも何を言っているかわかっていないのだと気がついたという。たった10歳でそこに気がつくとは,ニコルはすごいと思う。私はといえば,それがやっと腑に落ちるまでさらに45年かかった。この世には,自分がなにを言っているかわかっている人などほとんどいないのだ。セント・ピーターズの教師の誰かひとりでも,1949年に「これは忘れないようにしなさい。人の言うことの90パーセントは完全なたわごとなんだよ」と教えてくれていたら。そうしたら,私の知的進歩はどれだけ速まったかと思わずにはいられない。
ジョン・クリーズ 安原和見(訳) (2016). モンティ・パイソンができるまで―ジョン・クリーズ自伝― 早川書房 pp.89-90