読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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食器の色も,味覚に大きな影響を与える。たとえば,ホットチョコレートは,白や赤のカップよりも,茶色やクリーム色のカップで飲むほうがおいしい[ピクラス・フィッツマン, 2012]。またコーヒーは,透明なカップよりも白いカップで飲んだほうが,こくがあるように思われる。なぜならコーヒーは白いカップに注いだほうが色が濃く見えるが,色が濃いほど味も濃く感じられるからだ。
同じソーダ水を,色の異なる複数個のグラスに注ぐと,清涼感の度合いがグラスによって違うように感じる。青のグラスで飲んだ場合が,いちばん渇きが癒されるように思われ,続いて緑・赤・黄の順となる[ゲガン, 2003]。
皿を選ぶときには,先に述べた同時対比の概念が,料理を引き立てることを知っておこう。ニンジンは青い皿(補色にあたる)に盛りつけると,よりおいしそうに見える。
もしも太りたくないならば,料理の色から最も離れた色の皿を使うことをおすすめする。たとえばスパゲッティ・ボロネーゼの場合,赤い皿を使うと多めに,白い皿であれば少なめに盛りつけがちになる。逆にライスならば,白い皿にはたっぷりと,濃い色の皿には控えめによそいたくなるだろう。
ジャン=ガブリエル・コース 吉田良子(訳) (2016). 色の力:消費行動から性的欲求まで,人を動かす色の使い方 CCCメディアハウス pp.103-104