読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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教育における「権威」が,上からの押しつけだとか,学習者の自発性を損ねるなどの理由で忌み嫌われ,教育の世界から排除されねばならないもののように扱われるようになって久しいですが,それが知識の公共性という性質を忘れ,知識を教えることへの公的責任の放棄を意味することにどうして気づかないのでしょう。そのときの権威の主体は,国家でも共同体でもありません。そういう抽象的なエージェントではなく,生徒にとっての教師,子どもにとっての親,教わる人に対する教える人が権威の主体です。そのときの親,教師役はすでにオフィシャルな存在なのです。
安藤寿康 (2016). 日本人の9割が知らない遺伝の真実 SBクリエイティブ pp.194-195