読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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もちろん,報告に不足があることは,医学に限られた問題ではない。心理学者の3分の2が,論文の中での結果変数のいくつかを割愛することが時々あると認めている。これによって,結果報告の偏りが生み出されることになる。また,心理学者は同じ現象を別々の角度から調べるために,1つの論文の中で複数の実験を報告することがよくあるのだが,心理学者の半数がうまくいった実験だけを報告したことを認めている。こうした習慣は,調査に回答した人のほとんどが弁明の余地がないだろうと認めているにもかかわらず,しつこく残り続けている。
アレックス・ラインハート 西原史暁(訳) (2017). ダメな統計学:悲惨なほど完全なる手引書 勁草書房 pp.141