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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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競争の激しさと屈折

 アメリカ社会は競争が激しいので,すべての人を蹴落とさないと成功できないというプレッシャーが常にある。しかしそれではただの”悪い人”になってしまい,自己嫌悪に苛まれることになる。だから絶対に自分の脅威にならない人には思いやりをかけるというわけだ。テニュア付教授はむしろTAの過労働などを気遣うが,アシスタント・プロフェッサーの,特に優秀な者に対しては酷使してもかまわないという極端な考えに陥ることもある。このような屈折した行為は,どこの社会にもみられるものとはいえ,競争社会の圧力とキリスト教的博愛倫理の板挟みになったアメリカ人にもっともあらわれやすいものである。しかし逆に考えると,優しく扱われているうちはまだ一人前と思われていないということでもある。



アキ・ロバーツ 竹内 洋 (2017). アメリカ大学の裏側:「世界最高水準」は危機にあるのか? 朝日新聞出版 pp.90


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