親や親戚が卒業生である者は「レガシー」(Legacy)と呼ばれる。有名人の中にもレガシーは多い。ドナルド・トランプは,あまり教養の感じられない暴言からすると少し意外だが,アイビー・リーグのひとつのペンシルバニア大学出身である。彼は3回の結婚で子供が沢山いるが,長女のイヴァンカ・トランプを含めて何人かは彼と同じ大学出身なのでレガシーである。
大統領を二人も出したブッシュ家は代々イェール大学に進学する者が多いので,ブッシュ大統領は父子ともにレガシーである。
レガシー学生のすべてが入学を保証されているわけではないが,彼らの合格率は一般学生に比べると驚くほど高い。例えばハーバードではレガシーの合格率は一般志願者の5倍の30%にもなり,プリンストンでも一般合格率の7%から33%にも跳ね上がる。スタンフォードではレガシーの合格率は15%と低いがそれでも一般の合格率の約3倍である。レガシー優先入学は私立だけでなく,州立の名門大学でも行われている。
アキ・ロバーツ 竹内 洋 (2017). アメリカ大学の裏側:「世界最高水準」は危機にあるのか? 朝日新聞出版 pp.153
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