読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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日本の大学でもホリスティック入試に似たAO入試や自己推薦入試などが導入されている。AO入試はその理念とは裏腹に階級の再生産を促し,日本の社会をアメリカ並みの格差社会にすることに拍車をかけるかもしれない。それにAO入試の審査の不透明さは世間の大学への不信感を増してしまう恐れもある。というのも,アメリカでの大学に対しての不満はホリスティック入試に関するものが多いからである。日本はアメリカのシステムを導入することが多いが,「学力だけでなく人物を評価する」などの理念のみならず,理念の裏側にひそむさまざまな利害関係や社会的文脈も理解しなければならない。
アキ・ロバーツ 竹内 洋 (2017). アメリカ大学の裏側:「世界最高水準」は危機にあるのか? 朝日新聞出版 pp.160