読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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デジタルテクノロジーは,製品からサービスへの移行を促すことで非物質化を加速する。サービスはそもそも流動的なので,物質に縛られる必要がないのだ。しかし非物質化はただのデジタル商品を指しているのではない。たとえばソーダ缶のような堅い物理的な製品が,より少ない材料を使うほど便利になるのは,その重いアトムが重さのないビットで置き換えられているからだ。手に触れられるものが,手に触れられないものへ置き換わっていく――より良いデザイン,革新的なプロセス,スマートなチップ,オンライン接続といった手に触れられないものが,以前はアルミが行なっていたこと以上のことを代行していく。知能といったソフトがアルミ缶のような固い物の中に組みこまれ,固い物がソフトのように動くようになる。ビットが吹き込まれた物質的な商品が,まるで手に触れられないサービスのように振る舞いだす。名詞は動詞へと変容する。シリコンバレーではこれを,「ソフトウェアがすべてを食べつくす」という言い方をする。
ケヴィン・ケリー 服部 桂(訳) (2016). <インターネット>の次に来るもの:未来を決める12の法則 NHK出版 pp.148-149