読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私はもう,個々のURLや難しい言葉のスペルさえ覚えることはなく,答えの詰まったクラウドにグーグルで検索をかけることにしている。自分の過去のメール(クラウドに蓄積されている)を検索して自分がなにを言ったかを(たまに)調べたり,自分の記憶をクラウドに頼るとき,私の中の自分はどこまでで,どこからがクラウドになっているのだろう?私の人生のすべての画像,私の興味のすべての断片,私の書いたすべての文章,友人とのおしゃべりのすべて,自分で選んだもののすべて,勧めたもののすべて,考えたことのすべて,望んだことのすべて,それらすべてがもしどこかにあって特定の場所にないとしたら,自分というものの捉え方が変わるだろう。以前より大きくなり,また薄くもなる。より速くなるが,浅くもなる。クラウドのように思考して境界をどんどんなくし,変化や多くの矛盾に対してオープンになる。つまり私自身が多数性なのだ!すべてが混ぜ合わさり,さらにマシンの知性やAIで強化されていく。私は「私以上」になるばかりか,「われわれ以上」になっていく。
ケヴィン・ケリー 服部 桂(訳) (2016). <インターネット>の次に来るもの:未来を決める12の法則 NHK出版 pp.169