読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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音楽で起こったことは,デジタル化できるものならすべてに起こる。われわれが生きているうちに,すべての本,すべてのゲーム,すべての映画,すべての印刷された文書は,同一のスクリーンや同一のクラウドを通して365日いつでも利用できるようになるだろう。そして毎日のようにこのライブラリーは膨張している。われわれが対峙する可能性の数は,人口の増加とともに増大し,続いてテクノロジーが創造性を容易にしたことでさらに拡大してきた。現在の世界の人口は私が生まれたとき(1952年)と比べて3倍になっている。これから10年のうちにまた10億人が増えるだろう。私より蹟に生まれた50億から60億人は,現代の発展によって余剰や余暇を手にして解放されたことで,新しいアイデアや芸術やプロダクトを創造してきた。いまなら簡単な映像を作るのは,10年前と比べて10倍簡単になっている。100年前と比べたら,小さな機械部品で何かを作ることは100倍は簡単だ。1000年前と比べて,本を書いて出版することは,1000倍簡単になっている。
その結果,無限の選択肢が生まれている。どんな分野でも,数え切れないほどの選択肢が山積みになっている。馬車用の鞭を作るといった仕事が廃れる一方で,選択できる職業は拡大の一途をたどっている。休みに旅行に行ける場所,食事に行く場所,食べ物の種類ですら毎年のように積み上がっていく。投資機会も爆発的に増えている。進むべき方向,勉強できる分野,自分を楽しませる方法がものすごい勢いで拡大していく。そうした選択肢を一つひとつ試していたら,一生あっても時間が足りない。過去24時間に発明されたものや作られたものを全部チェックするだけで1年はかかってしまう。
ケヴィン・ケリー 服部 桂(訳) (2016). <インターネット>の次に来るもの:未来を決める12の法則 NHK出版 pp.220-221