読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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ではこうした選択がスライダーで調整できると考えてみよう。その左端は<パーソナル/透明>で右端は<プライベート/一般>になっている。スライダーは左右の間のどこにでも移動できる。そのどこに移動するかがわれわれにとって重要な選択となる。驚いたことに,テクノロジーのおかげで選択が可能になると(選択の余地があることが重要だ),人々はスライダーをパーソナル/透明とある左の方へと動かしていくのだ。彼らは透明でパーソナライズされたシェアをする。20年前には心理学者は誰もそんなことを予想しなかっただろう。現在のソーシャルメディアが教えてくれるのは,シェアしたいという人類の衝動が,プライバシーを守りたいという気持ちを上回っているということだ。これは専門家をも驚かせた。今までのところ,選択ができる分岐点に来るたびに,われわれは平均的にはよりシェアし,よりオープンで透明な方向へと向かう傾向にある。それを一言で表すならこうだ――虚栄がプライバシーを凌駕している。
ケヴィン・ケリー 服部 桂(訳) (2016). <インターネット>の次に来るもの:未来を決める12の法則 NHK出版 pp.347