読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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あるテーマについて知れば知るほど心的イメージは詳しくなり,新たな情報を吸収するのも容易になる。「1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6……」といったチェスの棋譜はふつう人にはちんぷんかんぷんだが,チェスのエキスパートが見れば試合全体の流れを追い,理解することができる。同じように音楽のエキスパートであれば,新しい曲の楽譜を見ただけで弾かなくてもそれがどんな調べになるかわかる。そして「限界的練習」や学習心理学という領域全般についてすでに知識のある読者なら,他の読者より楽に本書の情報を吸収できるはずだ。いずれにせよ本書を読み,議論されているトピックについて考えることであなたの中に新たな心的イメージが生まれ,今後そのテーマについて呼んだり学んだりするのが容易になるはずだ。
アンダース・エリクソン ロバート・プール 土方奈美(訳) (2016). 超一流になるのは才能か努力か? 文藝春秋 pp.107-108