読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
仕上げは拡張子を決めることだ。ウィンドウズ95のファイルの拡張子はアルファベット3文字と決まっていた。画像ファイルにはipgやgifといった耳慣れない拡張子がついていた。グリルはある時点でブランド名を変えようと訴えた。MPEGオーディオレイヤーIIIなんてやめた方がいいし,えこひいきばかりの企画委員会とも距離を置ける。でも議論の末に,やはり伝統を守って拡張子をmp3に決めた。スティーブ・チャーチがアメリカで売り込んでくれていたおかげで,mp3はすでになんらかのブランドとして認められてもいた。MUSICAMのウィンドウズ向けアプリケーションの拡張子はmp2だった。それはMPEGがくれた思いがけないおまけだった。mp2とmp3はお互いに競い合って同時に開発された技術だったが,名前を見るとmp3がmp2の後継技術のように見えた。フラウンホーファーにとっては都合のいい誤解だった。
スティーヴン・ウィット 関美和(訳) (2016). 誰が音楽をタダにした?巨大産業をぶっ潰した男たち 早川書房 pp.84-85