読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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こうした世論調査やアンケートに訴えることの哲学的価値とは何だろうか?何の価値もない,そんなことをしても無駄だと言う人もいる。ケンブリッジ大学の著名な哲学者ヒュー・メラーもその一人だ。「これが哲学だとすれば,人々に円は四角だと思うかどうかをたずねるアンケートは数学だということになる――だが,それは数学ではない」
しかし,調査情報の収集や直観のデータバンクの構築は,われわれの直観の信頼性に疑問を投げかけるために利用されてきた。そして,専門家の直観はふつうの人のそれよりも信頼できるかという関連問題を提起してきたのだ。
デイヴィッド・エモンズ 鬼澤忍(訳) (2015). 太った男を殺しますか?「トロリー問題」が教えてくれること 太田出版 pp.137-138