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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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サーブとリターン

 子どもが感情面,精神面,認知面で発達するための最初にしてきわめて重要な環境は,家である。もっとはっきりいえば,家族だ。ごく幼いころから,子供は親の反応によって世界を理解しようとする。ハーバード大学の児童発達研究センターの研究者たちは,この相互関係に「サーブとリターン」という名前をつけた。幼児が音をたてる,あるいは何かを見る(これが「サーブ」)と,親は子供の関心を共有し,片言のおしゃべりや鳴き声に対し,しぐさや表情や言葉で反応することでサーブを打ち返す(これが「リターン」)。「そうね,わんわんね!」「扇風機が見えたの?」「あらあら,悲しいの?」こうした親と乳児とのあいだのあたりまえのやりとりは,親にしてみれば無意味なくり返しに感じられるかもしれないが,乳幼児にとっては世界のありようを知るための貴重な情報をたっぷり含むものだ。これはほかのどんな経験よりも発達の引き金となり,脳内における感情,認識,言葉,記憶を制御する領域同士の結合を強固なものにする。



ポール・タフ (2017). 私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み,格差に挑む 英知出版 pp. 32


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