読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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私たち大人は,子供が何か悪いことをしたときに,直感的にこう決めてかかる。「子供がこんなことをしたのは,自分の行動の結果を理性的に考えて,代償よりもその行動による利益のほうが大きいという計算が働いたからだ」そこでふつうは子どもたちが受ける罰を重くして,悪い行いの代償を大きくしようとする。しかしこの方法に効果があるのは,悪いおこないがほんとうに理性的な打算の産物だった場合だけである。ところが実際には――これは神経生物学の研究によって判明した重要な点の一つでもあるのだが――若者の行動,とくに深刻な逆境を経験してきた若者の行動は,多くの場合,理性とはかけ離れた感情や精神やホルモンの影響を受けている。
ポール・タフ (2017). 私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み,格差に挑む 英知出版 pp. 78-79