読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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ファリントンの答えは「学業のための粘り強さ」だ。生産的な「学業のための行動」を長いあいだ維持できる性質である。ファリントンの主張によれば,「学業のための粘り強さ」を持った生徒が他の生徒とちがうのは,失敗からすぐ立ち直る力を持っている点だ。何回かテストで失敗しても,教室で懸命に勉強することをやめない。複雑な課題に悩んだり,混乱したときも,ただあきらめるより,問題を解くための新しい方法を探す。ファリントンのいう「学業のための粘り強さ」には,グリットや自制心や,楽しみを先送りにする力のような非認知能力が含まれる。しかしそうした性格上の特質とちがって,生徒の「学業のための粘り強さ」は状況に大きく左右される,とファリントンは書く。10年生のときに学校でがんばってやり通した生徒が,11年生ではやり通せないかもしれない。数学の授業はがんばれても,歴史の授業は駄目かもしれない。火曜日にはがんばれても,水曜日はだめかもしれない。
ポール・タフ (2017). 私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み,格差に挑む 英知出版 pp. 107-108