読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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人々の結びつきの強い集団主義社会では,メンバーがおたがいを監視し,何かあったときに制裁を加えるメカニズムがしっかりと社会の中に作られています。つまり,このメカニズムこそがメンバーたちに「安心」を保証しているのであって,個々のメンバーは他の仲間たちを「信頼」しているわけではないということなのです。
いや,もっと言えば,こうした社会においてはそもそも同じ社会の中で暮らしている相手を信頼するかどうか,考える必要すらありません。
山岸俊男 (2008). 日本の「安心」はなぜ,消えたのか:社会心理学から見た現代日本の問題点 集英社インターナショナル pp.104