読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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東京大学の歴史をひもとくと,「この学生が首席である」と公式に認定していた時代があった。
1899(明治32)年,東京帝国大学(東京大学の前身)は卒業式で学業成績優秀者を表彰する,「優等生の選定」制度をスタートさせている。式では天皇が成績優秀者に銀時計を授けている。当時,東京帝国大学は8学科構成となっており,毎年,全学科合わせて16~20人の学生が選ばれていた。1918(大正7)年,この制度は廃止されている。20年のあいだ,223人が銀時計をもらっている。学科別では,法学科88,経済学科9,文学科50,工学科77,理学科20,農学科24,医学科42。
天皇から直接銀時計を手渡される人たちはほんの一握りである。国が頭が良いことを天下に示された彼らは,東大銀時計組と呼ばれ,頭のよさについて,のちのちまで伝説的に語られることとなる。
小林哲夫 (2017). 神童は大人になってどうなったのか 太田出版 pp. 98