読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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とはいえ,この本でも直接お話ししておきたいことがあります。それは,子どもは本来,みずから正しい方向に伸びていく力があるということです。自己成就力といってもよいでしょう。子どもが間違った行動に出ている場合は,この力が一時的に発揮できないように覆いがかぶさっているような状況です。そのような状況で,子どもの手をとり「こっちにおいで」と引っ張るような教育はやめましょう。一時的に行動の修正ができても,子どもは何も変わりません。子どもみずからが考え,正しい方向に歩む力が出るように働きかけをします。
そのためには,子どもの話をよく聞くという傾聴や,子どもの正しい動きのかけらが出るのを辛抱強く待ってそれを認めていく姿勢が大切です。それに,子どもとよく話をして先生も子どもも納得できる決定をすることも大切になります。自律的自尊感情が欠如し,攻撃的になったり依存・消極的になっても,小学生はまだまだ軌道修正する力があり,学校の先生はその手助けをしたいものです。
山崎勝之 (2017). 自尊感情革命:なぜ,学校や社会は「自尊感情」がそんなに好きなのか? 福村出版 pp. 134