読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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日本の法律で,「社員」という言葉が使われている箇所をすべて抜き出したら,それらはすべて出資者という意味の言葉なのです。エンプロイ-という意味で「社員」という言葉を使っている法律は一つもありません。多くの読者の常識からすると,こちらの方がずっとびっくりする話かもしれませんね。
現在の日本の会社法という法律には,株式会社と並んで持分会社というのが規定されています。合名会社,合資会社,合同会社といった小規模な会社のための制度ですが,そこでは「社員」という言葉が,会社を設立するために出資する人という意味で使われています。この持分会社における「社員」に当たるのが,株式会社における「株主」です。会社法のどこを読んでも,会社のメンバーは出資した人,つまり持分会社の「社員」であり,株式会社の「株主」です。それ以外にはありません。
濱口桂一郎 (2013). 若者と労働―「入社」の仕組みから解きほぐす 中央公論新社 pp. 49