読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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城壁,要塞,砦などの恒久的な防御用建築物と異なり,塹壕は一時的な施設である場合が多い。17世紀までは,歩兵や騎馬の地上戦で決着がついたから,こうした防御施設はほとんど意味をもたなかった。塹壕は銃砲の普及とともに発達してきた防御法だが,とくに重要性を帯びてきたのは,機関銃をはじめとする高速ライフルや長距離砲など銃砲の進歩によるところが大きい。
欧州大陸中央部からはじまった塹壕は,両軍が互いの塹壕の裏側に回り込もうと,戦場に沿って北へ掘り進められ,開戦二ヶ月にして北の端は北海にまで達した。塹壕の全長は700キロにおよんだ。
石弘之・石紀美子 (2013). 鉄条網の歴史:自然・人間・戦争を変貌させた負の大発明 洋泉社 pp. 73-74