読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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そうは言っても文化的概念は広まっていくので,サスカッチという単語を見つけ出すのは,いまではそれほど難しくはなくなっている。サスカッチに比べれば,Loch Ness monster(ネス湖の怪獣,いわゆるネッシー)という語句のほうが見つけにくい。200冊に1冊登場するだけなのだ。だが,謎めいた動物の呼び名を対象に,語彙の歴史的足跡をたどる追跡者としての根気がどれほどのものかを本気で検証したいと考えているなら,Chupacabra(チュパカブラ)という単語が出てくる例を探してみるといい。この吸血動物が最初に目撃されたのは1995年で,場所はプエルト・リコだった。それ以上のことはよくわかっていない。それでも,サスカッチよりチュパカブラのほうがはるかに「目にする機会が少ない」と言うことはできる。目撃するのは,1億5000万語に1回,冊数で言えば約1500冊に1回にすぎない。これは,並外れた読書家でも生涯に1回,目にするかどうかの数字である。もしかすると,これがチュパカブラとの最後の出逢いになるかもしれないから,この機会を心ゆくまで味わってほしい。
エレツ・エイデン ジャン=バティースト・ミシェル 坂本芳久(訳) (2016). カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する 草思社 pp. 80-81