読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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とはいえ,独身時のサポートについては男女でそれほど大きな差はないだろう。大きな差が出てくるのは結婚してからである。無限定的な働き方をする人が世帯にいる場合,そうではない人(たとえば専業主婦)が同じ世帯にいてサポートするならば私生活のレベルは落ちないし,子どもを産み育てることも可能であろう。しかし無限定的社員と無限定社員のカップルだけでは無理である。その結果,女性の側がキャリアを断念することになりやすい。ましてやどちらかに転勤が命じられれば,片方の(たいていは女性の)キャリアプランは破壊される。パートナーのどちらかに転勤の可能性があるというだけで,持ち家を買うかどうかの判断などに必要な,生活の長期的見通しが立たなくなることもあるだろう。
筒井淳也 (2015). 仕事と家族 中央公論新社 pp. 112