異論の多い考えを評価する上で,幅広い資料にあたるのは有益である。インターネットはそれをきわめて容易にしてくれるが,しかし同時にエセ専門家のウェブサイトにたどりついてしまうこともよくある。ウェブサイト上の情報が信頼できるかどうかをチェックする非常に役に立つ方法についての要約を,サウスウエスト州立大学図書館の司書であるジム・カパウンが作成している(彼のサイト www.ala.org/acrl/undwebev.html を参照(引用者注))。カパウンのチェックリストは,大学生がサイトの信頼性を評価する際の助けになるようにつくられたものだが,その方法はどんな人間にとっても適切なものである。どんな話題についても,本物の専門家とエセ専門家を見分ける技量を,カパウンの問いに答えることによって磨くことができる。カパウンはあらゆるサイトに対して,特定の問いを提起している。誰でも使える判定基準をいくつか示しておこう。たいていの場合,エセ専門家のサイトは次のような特徴をもつ。
(1)エセ専門家はふつう自分が主張することのすべてに確信をもっている。
(2)自分の研究を頻繁に引用する。
(3)奇妙なタイトルで強い印象を与えようとする。
(4)自分の考えが学界から抑圧を受けていると述べる。
(5)明確な政治課題をもち,金銭的な動機をもっていることさえある。
ロバート・アーリック 垂水雄二・阪本芳久(訳) (2007). 怪しい科学の見抜きかた:嘘か本当か気になって仕方ない8つの仮説 草思社 Pp.10-11
注:現在サイトは閉鎖されている。「ジム・カパウン」は“Jim Kapoun”と綴るので,興味のある人は検索を。
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