勉強にまったく身が入らないのでは,その時間は無駄でしかない。そのことは,何百万という学生が身をもって学んでいる。とはいえ一般に,勉強のときと同じ精神状態でいるときのほうが,試験で力を発揮できると言われる。もちろんそれには,アルコールや大麻を摂取した状態や,覚せい剤による興奮状態も含まれる。また,気分,先入観,知覚も大切だと言われる。要は,勉強中にどんな気分になるか,どんな場所で勉強するか,どんなものが目や耳に入ってくるか,といったことなのだ。
これらの影響——いわゆる精神状態と外的な要因——について科学的に調べた調査結果によると,学習の大事な部分への影響はほとんどないことがわかった。そうした影響に気づくことがあったとしても,自分の時間を最大限有効に活用できるという。おかしなことに,この調査によって,ルールの順守という原則が覆されてしまったのだ。
ベネディクト・キャリー 花塚 恵(訳) (2015). 脳が認める勉強法:「学習の科学」が明かす驚きの真実! ダイヤモンド社 pp. 67-68
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