的中しなかった方はどうするのか?サイキックの予言をわざわざ記録しておき,外れた例を突きつけて面目を失わせようとする人はめったにいない。万一そういう事態になっても,サイキックにはいくつかの逃げ道がある。予言内容が間違って伝えられている,あるいは一部分だけを取り出して引用されたと主張するのがその一つだ。また,予言をしたときの報告の仕方は不正確だったが,予言そのものは正しかった,と主張することもできる。しかし,もっとも単純で効果的な防御法は,にこやかに笑って間違いを認め,それは大した問題ではないと指摘することだ。たとえばこんなふうに。
[例]「ええ,確かに私の予言には,一つか二つ間違いが含まれていました。ここには解釈のプロセスが関わっていますが,ときとして解釈するのが非常に難しいことがあるのです。私はけっして間違いを犯さないと主張したことはありませんよね?でも,間違うことより当たることのほうがずっと多いのは分かっています。だから役に立つのです」
イアン・ローランド 福岡洋一(訳) (2011). コールド・リーディング:人の心を一瞬でつかむ技術 楽工社 pp. 175-176
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