「一方向のみ検証可能な予言(One-way Verifiable Predictions)」は,たぶんコールド・リーディングにおける予言のうちで最も巧妙なものだろう。この予言を検証することは可能だが,それは予言されたことが実際に起きた場合に限られる。実際に起きなかった場合は,予言が外れたことをけっして証明できない。たとえば,次の例を見てほしい。
[例]「あなたの職業に影響を与えるニュースを,友だちが電話であなたに伝えようと考えるでしょう。しかし,ぎりぎりになって知らせるのを思いとどまるかもしれません」
可能性をよく見てほしい。もし偶然に友人がそういう電話をかけてくれば,予言は当たったことになる。もし電話してこなければ,サイキックが可能性に言及しているように,知らせるのを思いとどまったせいにしてしまえる。
イアン・ローランド 福岡洋一(訳) (2011). コールド・リーディング:人の心を一瞬でつかむ技術 楽工社 pp. 184-185
PR