読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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猿人は,アフリカに留まった。それもアフリカの東側が中心だ。
原人は,アフリカのほぼ全域に広がるとともに,出アフリカを果たした。当時,まさに「人類未踏」の地だったユーラシア大陸を歩き,遠くアジアまでやってきたパイオニアだ。ただし,分布はユーラシア大陸の南半分に限られていた。そのなかでほぼ最北端にあたるのが,北京原人の居住地だ。
旧人は,ヨーロッパやアジアでの分布を,原人のときよりもいくらか北側に広げた。しかし,寒冷なシベリアの中心部にまでは踏み込めなかったようだ。
そして,いよいよ新人(ホモ・サピエンス)がアフリカを出ると,シベリアを含むユーラシア大陸の全土に広がる。さらに南北アメリカ大陸,太平洋の島々にまで進出していくさまは,地図の上で見るだけでもダイナミックで,壮大なドラマを感じさせる。
川端裕人(著) 海部陽介(監修) (2017). 我々はなぜ我々だけなのか:アジアから消えた多様な「人類」たち 講談社 pp. 40-41