読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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移入種が在来種を駆逐するとき,直接バトルするというよりは,生態系の中での位置(ニッチ)を奪うかたちで入れ替わる。
ただ,人間(ホモ・サピエンス)は歴史に残っているかぎり,たくさん戦争をしてきたので,そのイメージをさらに過去に投影すると「戦って絶滅させた」と思いがちなのかもしれない。また,先史時代に絶滅したマンモスなどの大型哺乳類が,人間に狩りつくされたというイメージも大きいだろう。なにか,「血塗られた祖先像」みたいなものが流布しやすい傾向があるように思う。結局,直接証拠もないまま,そんなに血なまぐさいことを現段階で考える必要はないのかもしれない。
川端裕人(著) 海部陽介(監修) (2017). 我々はなぜ我々だけなのか:アジアから消えた多様な「人類」たち 講談社 pp. 251-252