読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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因子分析は,スピアマンが知能の研究(Spearman, 1904)において,「複数のテストに共通する知能の一般因子<g-factor>の存在」を主張した際採られた数学的処理を起源とする。スピアマンによって報告された6つの相関行列は表2-3のようなものであり,各種テスト間で決して低いと判断し得ぬ相関を示していることに拠って,「(1)どのテストも何か共通した知的能力を幾分かずつ測定している,(2)それぞれのテストが共通の知的能力以外に当該テスト特有の知的能力を測定しているためこれらの相関係数が1.0にならない」との示唆を得,当該テストが他の共通した知的能力を測定している部分を一般因子,測定している程度を一般因子負荷量,また,当該テストが特有の知的能力を測定している部分を特殊因子,測定している程度を特殊因子負荷量と呼ぶと共に各々の負荷量を算出するに至ったのが,それに他ならない。仮にスピアマンが表2-8のような結果(おれは全く架空の値である)を得ていたとしたら,彼は「知能には2つの主要な共通因子がある」と結論づけたであろう。
岩下豊彦 (1983). SD法によるイメージの測定 川島書店 pp. 63