読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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ここで「なぜこうした回転が行なわれるか」についての問を想定するのが妥当というものであろうが,事柄は至極簡単なことに留まる。つまり,相関行列を数学的に共通性をもった因子へと分解するのが因子分析であり,その結果得られた因子と各尺度との関係に着目しながら因子のもつ意味を探ろうとするのが因子軸の回転なのである。因子分析があらゆる尺度間の相関関係を配慮に入れて数学的に因子へと分解していく過程であるのに対し,因子軸の回転は,因子分析結果で得られた因子と各尺度との関係の強弱(因子負荷量)を資料として因子の意味が鮮明になるようアクセント付けを行なう作業であるといってさしつかえなかろう。
岩下豊彦 (1983). SD法によるイメージの測定 川島書店 pp. 97-98