読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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一般に,因子分析を経て選定された尺度上での評定値から当該尺度の帰属因子に関する概括値を導く過程を因子スコア化と呼び,概括値自身を因子スコアと呼ぶ。要は,各尺度上での評定値から次元ごとの値を求めることに他ならないが,概括の仕方としてさまざまなものが提議されており因子スコアなる概念を用いて語り合っているうちにやがて互いが全く異なる内包を指していた点に気づくといった例も稀でない。特に頻繁に生ずるのは,(1) 因子分析の結果から或る因子の代理者として特定の複数尺度を選んだことに重点をおき,当該因子の代理者と見做された複数尺度上での評定値を単純に平均する因子スコア概念,(2) 各尺度上での評定値へ当該尺度に関する因子別負荷量を乗じていったん因子ごとに値を按分し,その後因子別に按分された値を累積していく因子スコア概念,の両者間での喰いちがいである。
岩下豊彦 (1983). SD法によるイメージの測定 川島書店 pp. 123-124