読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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したがって,日本とヨーロッパの肉食率を大きくへだてるのは,食生活パターンが,主食と副食を区別するか,しないかの一点につきる。日本人が主食観念に固着するかぎり,いくら表面上の洋風化がすすんでも,高い穀類・いも類依存率,したがって低い動物性食品依存率という状態は,そうかわらない。主食だけであるていど満足するから,結構,ままごと肉食でやっていけるのである。
もちろん,主食の内容は無理に米飯でなくともよい。米飯をパンに切りかえても,パンを主食ないしはそれに準ずるものとして扱うかぎり,事態は同じである。ただ,主食としてみれば,両者の優劣ははっきりしている。水分のすくない,カサカサしたパンは,とても,米飯のような調子で,大量にのどを通すわけにはいかない。
鯖田豊之 (1966). 肉食の思想 中央公論社 pp. 11-12