読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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徳川時代というと,すぐ五公五民とか六公四民といった調子で,ひどくしいたげられた農民の姿が浮かぶが,考えてみれば,その原因の一半は,水田のこうした異常な生産力の高さにある。いくら政治権力が暴虐でも,生産力の低いところでは,とても,収穫物の半分以上を横取りすることはできない。もし,そんなことを強行すれば,支配の対象となる農民が死にたえて,結局,とも倒れになるだけである。日本の農民は,生産力が高いがゆえにいじめられるという,妙なジレンマにおいこまれていたわけである。
鯖田豊之 (1966). 肉食の思想 中央公論社 pp. 35-36